はじめに
スマホやデータ通信SIMの普及によって、スマホで使える050IP電話サービスが増えてきました。周りでも使っている人がいたり、TVCMやインターネット上の記事などで見たことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
私も「このサービスはいい!」と思って、2012年の春ぐらいから050 plusを使い始め、その後いくつかのサービスを試しました。現在は050 plus for BizとFUSION IP-Phone SMARTを1台の端末で併用しています。
そして、気づけばほんの数年の間にたくさんのサービスが出てきているんですよね。私自身、情報についていけなくなりそうでしたので、情報を整理する一環としてスマホ向け050IP電話サービスをまとめてみたいと思います。
スマホ向け050IP電話サービス一覧
スマホ向け050IP電話サービスを一覧にして並べてみました。比較項目はいろいろ考えられるのですが、以下の表では料金、留守電機能、専用アプリ、支払い方法に絞りました。
2017/11/19追記
サービス終了あるいは新規申込停止になったものは削除しました。
FUSION IP-Phone SMART | LaLa Call | G-Call050 | |
---|---|---|---|
初期費用 | なし | なし | なし |
月額基本料金 | 0円 | 105円(eo光会員は0円) | 294円 |
固定電話 | 8.4円/30秒 | 8.4円/3分 | 8.4円/3分 |
携帯電話 | 8.4円/30秒 | 18.9円/1分 | 16.8円/1分 |
PHS | 8.4円/30秒 | 記載なし | 記載なし |
アプリ同士 | 0円 | 0円 | 0円 |
留守電機能 | あり | あり | あり |
専用アプリ | iOS・Android | iOS・Android | iOS・Android |
支払い方法 | クレジットカード | クレジットカード・eo回線サービスとの合算 | クレジットカード |
備考 |
050Call | 050 plus | FleaLine Light | |
---|---|---|---|
初期費用 | なし | なし | 525円 |
月額基本料金 | 0円 | 315円 | 400円 |
固定電話 | 8円/3分 | 8.4円/3分 | 8.4円/3分 |
携帯電話 | 15円/1分 | 16.8円/1分 | 16.8円/1分 |
PHS | 記載なし | 10.5円/1分+通話ごとに10.5円 | 12.6円/1分+通話ごとに10.5円 |
アプリ同士 | 0円 | 0円 | 0円 |
留守電機能 | なし | あり | あり(転送オプション100円/月が必要) |
専用アプリ | iOS・Android | iOS・Android・Windows | Android |
支払い方法 | コンビニ払い(プリペイド)・クレジットカード | クレジットカード | クレジットカード |
備考 | 通話料が315円未満の場合、315円を請求 |
これらのサービス以外にもスマホで利用可能なIP電話サービスはいくつかありますが、次のようなサービスは除外しています。
- ビジネス利用を想定していると思われるサービス
- 公開されている情報が不足していると思われるサービス
- 電話番号の通知ができないSkype
- 海外のITSPなど
スマホ向け050IP電話サービスのおおよそのイメージ
一覧にしてみると、スマホ向け050IP電話サービスのおおよそのイメージがつかめるのではないでしょうか。
- 初期費用なしで始められるのがほとんど。
- 専用アプリを使って050の電話番号で発信、着信ができる。
- 月額基本料金は0円~数百円程度。
- 通話料は固定電話への通話は8.4円/3分、携帯電話への通話は16.8円/1分が多い。
- 支払いはほとんどがクレジットカード払い。
現在ではたくさんのサービスが登場していますが、比較的有名なサービスは次の2つではないかと思います。
多くの人が見聞きしたことのある050 plus
多くの人が見聞きしたことのあるサービスが050 plusではないかと思います。TVCMでも有名になりましたよね。
2011年7月1日より開始されている本サービスですが、このサービスの登場によって、スマホだけに留まらずiPod Touchやタブレットでの通話、WindowsPCでの通話など、電話の考え方が大きく変わってきました。
月額基本料金0円が強みなFUSION IP-Phone SMART
月額基本料金0円という強みを発揮しているFUSION IP-Phone SMART。古くからIP電話サービスを法人、個人向けに提供してきたフュージョン・コミュニケーションズ(2015年12月1日から楽天コミュニケーションズに社名変更)だからこそという感じです。
2012年5月15日に当初はβ版として開始した本サービスですが、その後iOS版の公式アプリの提供と共に正式サービスに移行、本格化しました。
データ通信専用のSIMカードとの組み合わせでスマホの格安運用
実際に私も活用しています。中古のスマホ+データ通信専用SIM+スマホ向けの050IP電話サービスの組み合わせによって、毎月1000円前後から通話も通信もできる格安のスマホに生まれ変わります。私は初めてのスマホからこのやり方だったのですが、最初は「これはすげぇぞ」とワクワクしましたね(笑)。
データ通信専用のSIMカードを提供している事業者も複数あるのですが、先ほどの050 plusを提供しているNTTコミュニケーションズでは次のようなデータ通信専用SIMカードを提供しています。
電話番号が得られることのメリットを活用しよう
スマホ向けの050IP電話サービスでは盛んに”通話料がお得である”ということが言われています。確かに通話料がお得ということもあります。でも、通話料がお得なだけではありません。生活の場面で利用価値が出てくることが結構あります。
例えば、インターネット上で何か買い物をする時を想像してみてください。
お客様情報として名前、住所、電話番号の入力が必要になりますよね。会員登録が必要になる時も同様です。その時には、何の電話番号を登録していますでしょうか。
プロバイダー、ショッピングサイト、ポイントカードなど、会員情報として自分の電話番号を登録する場面が結構あります。もちろん携帯電話の電話番号で済むことが多いかと思いますが、正直なところ「あまり携帯電話の番号をあちこちに登録したくない。」ということもありませんでしょうか。
そんな時には、携帯電話の電話番号とは別の電話番号として050の電話番号が使える訳です。
「あまり電話しない」という人にとっては、通話料がお得になることはさほど魅力に感じないかもしれません。私もあまり電話しない人です。でも、電話番号が得られることのメリットは活用しています。いざという時には役に立つなと実感しているところです。
IP電話であることのデメリットにはうまく付き合おう
IP電話というインターネット回線を使った電話には特有の事情があります。それは、回線速度、音質、遅延の3つです。これらの事情は自力で解決できることもあればできないこともありますので、理解した上で付き合っていくのが賢明です。
回線速度
IP電話はインターネット回線を通じた音声通話であるため、回線速度はひとつの目安になります。
IP電話における回線速度というのはそこまで速さを求められるものではありませんが、回線速度があまりにも遅ければ通話に支障が出ます。回線速度に左右されるということは頭に置いておいた方がいいでしょう。
音質
IP電話ではノイズが入ったり、エコーがかかったり、こもったりするといったことが付きものです。
携帯電話の音質と比べると見劣りすることがありますが、これはスマホ向けのIP電話サービスに限ったことではありません。据え置き型のIP電話の時代から言われていることなんですね。各サービスでは音質の改善が日々行われていると思いますが、電話機、アプリの設定など調整するポイントが多いことも特徴です。音質面はある程度妥協する必要が出てくることもあるでしょう。
遅延
遅延とは音声の遅れの度合いです。わかりやすく言えば、衛星中継で音声が遅れてくるイメージです。
音声の遅れが少なければ少ないほど会話がスムーズに運びます。これは利用しているスマホ回線の応答速度というものによって異なります。応答速度が速ければ遅延が小さく、遅ければ遅延が大きいということになります。利用しているスマホ回線に大きな影響を受けることを心に留めておきましょう。
おわりに
最初にスマホ向け050IP電話のサービスを知った時にはとても驚きました。
一時期はiPod Touch+モバイルルーターで電話をしていたこともありましたし、アナログ電話とVoIPアダプタをつないで完全に固定電話として使っていたこともありました。今はスマホに2つの050番号を入れて運用するという使い方に落ち着き、2つの電話番号は利用目的によって使い分けています。1年以上使ってきましたが、「番号取っておいてよかったな」と実感しています。
電話する人も、あまり電話しない人も、スマホ向け050IP電話サービスのより良い活用方法を考えてみるというのはいかがでしょうか。